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【力を与えてくれるもの】

インフルエンサー:emi+

2020.09.10

こんにちは。

『STAY HOME』期間中
フランクルの『夜と霧』の言葉を
思い起こすことが多々あり
数年ぶりにしっかりと読み返してみました。



苛酷な状況を生き抜いたフランクルの言葉は
最初から最後まで胸に響きますが
その中でも私がうろ覚えながら
何度も思い出した言葉を
忘れたくないので
書き留めておきます。



われわれが過去の生活の豊かな体験の中で
実現化したものは、何ものも、また何人も、
われわれから取ることはできないのである。
さらにわれわれが体験したものばかりでな
く、われわれの為したこと、われわれの悩
んだものも永久に現在の中に組み入れら
れているのである。


元来精神的に高い生活をしていた感じ易い
人間は、ある場合には、その比較的繊細な
感情素質にも拘わらず、収容所生活のかく
も困難な、外的状況を苦痛ではあるにせよ、
彼等の精神生活にとってそれほど破壊的に
は体験しなかった。なぜならば彼等にとっ
ては、恐ろしい周囲の世界から、精神の自
由と内的な豊かさへと逃れる道が開かれて
いたからである。


人間は愛する眼差しの中に、彼が自分の中に
に、もっている愛する人間の精神的な像を想
像して、自らを充たすことができるのである。


われわれは外で、西方の暗く燃え上がる雲を
眺め、また幻想的な形と青銅色から真紅の色
までのこの世ならぬ色彩とをもった様々な変
化する雲を見た。そしてその下にそれと対照
的に収容所の荒涼とした灰色の掘立小屋と泥
だらけの点呼場があり、その水溜まりはまだ
燃える空が映っていた。
感動の沈黙が数分続いた後に、誰かが他の人に
「世界ってどうしてこう綺麗なんだろう」
と尋ねる声が聞こえた。



もう一冊やはり『STAY HOME』の時に
よく思い出した本
宮部みゆきの「蒲生邸事件」から。

時空を超える力があり、
困難な時代が来るのがわかっていながら
昭和十一年の東京に残ることを決めた
平田の言葉


これからやってくる戦争の時代を、この時代
根を下ろして、この時代の人間として体験
するんだ。どれほど辛かろうと厳しかろうと、
ひとつのごまかしも、予想も、先回りもなし
に、すべてを自分で経験するんだ。そうして  
闇雲に生き抜いたとき、あるいはそこで死ぬ
とき、抜け駆けのない同時代の人間として、
今この時代を生きる大勢の人たちと同じ立場
にたって、叔母や蒲生大将について、私はど
んな考え方をするだろう?どんな考えを持つ
だろう?彼らに高所から見おろされる気分が
どんなものか。そこで初めて実感として味わ
うことができる。
怒るかもしれない。怒り狂うかもしれない。
でもそれは、まがい物の神じゃない、人間と
しての怒りだ。先回りして知っていたくせに、
なんで俺たちを批判できるんだと、歴史の部
品であるひとりの人間が、ひとりの人間とし
て抱く怒りだ。


未来の日本を視たことで
戦前にとるべきだった政策を記し
後世慧眼を讃えられた蒲生大将と
A級戦犯として処刑された東條英機

過去から現代に帰ってきて
歴史を調べ、2人の生き方を比べながらの
主人公の思い。

東條英機は抜け駆けをしなかったということ
だ。少なくとも彼は、未来を見通していたわ
けではなかった。その場の時代を生で生きて
いた…その結果間違いもたくさんやったけれ
ど、ほかでもない歴史に対しては、その場の
間違いを言い訳しなかった。



『STAY HOME』で思い出した訳ではない
のですが、
長女が生まれる前に読み、 
子育て中折に触れて思い出した言葉も
書き記します。



事件をきっかけに知り合った少女の
親代わりをしようとする主人公への言葉。


情報を与えて、あとは自分で決めなさいとい
のではだめです。【略】
おそらく彼女はわめいたり叫んだりするで
しょう。わたしのことなど愛してないんだ、
わたしの気持ちなどどうでもいいんだ、って。
しかし、親であるということは、子供の背を
叩いて、リベラルで物分かりのいいところを
示すことではありません。
愛する子が、尊敬できるような男、あるいは
女になるように、その成長を助け、指導し、
教育することなんです。


本のタイトルをすっかり忘れていて
“『女彫刻家』の人の作品”で検索したところ
レビューの『クーパー刑事の名言が心に残る』
という言葉でやっと判明。
ミネット・ウォルターズ『鉄の枷』から。





もう一つフランクルの言葉

愛する人間が生きているかどうか、というこ
とを私は今や全く知る必要がなかった。その
ことは私の愛、私の愛の想い、精神的な像を
愛しつつ、見つめることを一向に妨げなかった。



本は力を与えてくれます。


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